「戦空の魂」コミックス・まえがき
第1巻 ”命が一番大事”と言われるが俺はそう思わない。大事なのは命ではなくその命を使って何をするかだ。
危険に瀕した国家のため、愛する恋人のため、かけがえの無い家族、仲間のため空に命をかけた男達のドラマがこの『戦空の魂』だ。敢えて問いたい。この作品の登場人物たちと同じ立場に置かれたら、あなたならどうするかを。
第2巻 ライオンがシマウマを襲うシーンを見て“かわいそう”と言う人間がいる。ライオンの巣では生まれたての赤ちゃんライオンが餓死寸前で餌を待っているかも知れないというのにだ。強者と弱者。勝者と敗者。
それらの一面だけ見ていても、その裏にある事実は決して見えてこない。
第3巻 組織。組織には達成すべき目的がある筈だ。無謀な作戦で何万人もの兵士を死に追いやった参謀でも何の責任も問われず、出世した者すらいる。波風を立てず組織を守るためにだ。
今も昔も目的を忘れた組織が存在する。そして、おそらくは未来も…。
第4巻 何か事件が起きる度に評論家、文化人面した連中が決まってこう言う。教育のせい、家庭のせい、会社のせい、現代日本の歪みが生んだ事件だと。ちがうだろ、本人のせいだろ。
環境のせいにして、それが正当化されるなら、この地球上に60億の犯罪者が明日にでも出現することだろう。
第5巻 小学校で“日本は貿易立国”と教えられた。資源のない小さな島国に一億二千万人がひしめいている日本。大人が不正を働き、子どもが犯罪を犯し開き直る。この状態を正さねばGDP世界20位ぐらいに転落したとしても何ら不思議はない。
日本は今も、そしてこれからも人を資源とする貿易立国なのだから。
第6巻 現在から過去を振り返り、当時の人々の決断を断罪しようとする人間がなんと多いことか。
ならば、未来の人間に現在の人間の決断を罵られ、愚かだったと言われたら、我々はなんと反論するのであろうか。「後からはなんとでも言える。あの状況ではあれが最善の決断だった。」と、胸を張って言えるのだろうか。
第7巻 日本国。聖徳太子、紫式部、織田信長、坂本龍馬、高橋是清。歴史上多くの偉大な政治家、文化人を生んだ日本。その日本、が過去ばかり見ている国や、国連に金も出さずいばってばかりいる国、国威をかさに着て圧力をかける国にガタガタ言われる筋合いはない。
ここは日本。我々は日本国、国民である。
第8巻 ガキの頃、人を殴るくせして自分が殴られると、ものすごく怒るヤツがいた。犯罪者にも被害者の人権を侵害したことを棚に上げおのれの人権を口にする輩がいる。だが、人権侵害した人間に人権を口にする資格はあるのか。殺人者が償う道は死のみではないのか。
平穏な生活を送る大多数の人権こそ守られるべきだと思う。
第9巻 苛められ自殺する子供の生地が新聞に載るたび、いつも何故反撃しないのかと思う。
幼い頃から暴力はダメしか教えずケンカの発生した理由を聞かなかった学校、大人のせいなのだろう。理不尽な苛め、暴力に反撃するのは暴力ではなく正当な権利なのだ。戦争もまた然り。
第10巻 父さん、どうして?常任理事国じゃないのに、いっぱいお金払うのは?お隣にお金を貸すのは?謝れと言われ、お金持っていかれるのは?それはね、日本の会社も国も不景気なんか無い、大金持ちだからさ。そうでなければそんな事するはずないだろ。そうか、お父さん!
第11巻 少年と老人とロバの話。少年がロバに乗っていると、村人に老人を歩かせてひどいと言われ、老人が乗ると少年がかわいそうだといわれ、2人で乗っているとロバがかわいそうだと言われ、ロバを二人でかついでいると橋の上でロバが暴れ川に落ちてしまうという昔話。
外国にガタガタ言われ続けた日本が川から這い上がる新世紀がもうすぐ来る。
第12巻 最近の若者の歌を聴いていると社会が悪い、時代が悪いと文句ばかり言っている。かと言えば愛だ自由だと経験に裏付けされない言葉を並べ立てている。そう言う連中を60年前の、
過酷な時代を生き延びねばならなかった日本へタイムマシンで送ってやりたい。
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